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顧客とアプリケーション:超音波機器

5G高速転送とAI画像認識技術が急速に発展するにつれ、医療画像認識の効率も上昇し続けることが期待されています。個別の診療所の枠を飛び越え、クラウドの医療画像プラットフォームや遠隔医療などのアプリケーションが、将来の診断補助ツールとなるでしょう。しかし、高画質で高解像度な画像データを保存できなければ、こうしたスマート医療ケアの将来を実現することはできません。

世界一流の医療機器メーカーが、ある目標を携えて、Apacerを訪問しました。最高の画質を得て画像の鮮明度を改善することを目指し、同社はMRI機器、X線断層像影装置、超音波画像診断機器を開発しています。医療画像機器が取得した画像が不完全であったり、破損するなどの画質の問題を解決するため、同社はApacerへサポートを依頼しました。同社の目標は、医療施設などのエンドユーザーがデータを判読して精査する時間を短縮し、診断精度を上げることです。

 

課題

他の非侵襲的画像システムに比べ、超音波スキャナーは低コストで、素早く安全にリアルタイムで画像を供給できます。この画像は診療分野で診断の参考に使用されます。顧客の最新型医療用超音波スキャン検出機は、最高の4K UHD画像技術を採用しているにも関わらず、データの読み出し時に低画質と解像度の大幅な劣化に悩まされていました。その結果、医療スタッフの画像判読時間が延び、後に続く作業を圧迫していました。また、画像の解像度が低い場合は判読の食い違いや誤りの原因となり、その後の精査報告や、さらには診断に基づく推奨の信頼性にも影響を与えます。

画像の解像度が低いことに加え、超音波スキャナーの試作品は、不完全な読み取りや画像の破損といった画像不良を起こしていました。根本原因の解明は簡単ではありませんでした。医療画像認識は将来のAIアシスト診断システムで最も重要な領域に属しており、高画質の要件は妥協が許されないため、顧客はヘルスケアの垂直市場で豊富な経験を持つApacerの力を借り、当社の技術チームへ調査を依頼しました。

 

ソリューションとテクノロジー

pacdrの技術チームはまず、試作品のSDメモリーを検査し、わずか最大480 x 640の解像度しかサポートしていない市販グレードのデバイスが使用されていることを発見しました。この旧式のメモリーカードでは、4K UHD録画は扱えません。技術チームは、顧客へクラス10産業グレードメモリーカード、SD H1-Mの使用を推奨しました。この製品は最大4096 x 2160 (4K UHD)をサポートし、3,000 P/Eサイクルと部品の修理保証を備えています。

続いて、Apacerの技術者はデータアクセスとユーザー操作を分析し、超音波スキャンシステムは読み取り中心のアプリケーションであると判定しました。これまで読み出し不良のエラーが見つかっていたのは、それが原因でした。このことを前提に、技術チームは顧客へApacerへSmart Read Refresh™テクノロジーを採用するよう推奨しました。ブロック内の不良データが多すぎたり、ブロックの読み取り数がしきい値に達すると、Smart Read Refresh™がデータを再構成します。リフレッシュの際に別のブロックへデータを書き込むことで読み出し不良を避け、NANDフラッシュ内のブロックがすべて正常動作するようにし、不完全な画像読み取りの問題を効果的に解消します。

 

結果とメリット

ApacerのSD H1-Mクラス10産業グレードメモリーカードを使用して試作品を再設計した顧客は、超音波機器が取得した画像がはるかに鮮明になり、読み出し不良が解消されたことを確認しました。最終的にはより競争力の高い製品が生まれ、将来のAI画像検出や診断補助に結びつく基礎が確立されました。